心室細動(VF)あなたが救う命
心電図新世界セミナー谷口総志です。
「心臓しんとう」を不整脈名で言うと「VF」でした。
そして、不整脈の治療は
・徐脈ーペースメーカー
・頻脈ー除細動
でした。
皆さんもご存知のように「VF」には除細動を使います。
では、「VF」にはなぜ除細動が効くのでしょうか?
「VF」は心室細動ですので細動を取り除くと書いて除細動ですから
治療法としては間違えていません。
しかし、
不整脈の治療を
・徐脈ーペースメーカー
・頻脈ー除細動
と分けるのであれば
「VF」は頻脈なのでしょうか?
「VF」を心拍数の観点から見てみましょう。
VFとは心臓がプルプルと震えているだけです。
心室筋細胞があちらこちらで不規則に興奮している状態です。
イメージとしてはこんな感じです。
刺激伝導系は完全に無視ですね。
心拍数として認められるわけではありませんが、
あちらこちらで細胞が興奮しているので、
この★すべてを心拍数とすると
頻脈の分類に入ります。
よって「VF」には除細動が効くのです。
除細動とは、心臓に強い電気を流す装置です。
この不規則に興奮している細胞に強い電気を流すことによって
この不規則な興奮をいったんリセットさせるのです。
リセットされた心筋細胞は、刺激が来るのを待って
興奮するようになります。
「刺激伝導系より刺激が来てから興奮するから規則正しい心拍に戻る」
除細動とはそんな治療法です。
これは実際の心電図です。
除細動で「VF」⇒正常波形に戻っています。
不規則な動きから規則正しい動きに変わりました。
規則正しく心臓細胞が興奮することで
はじめて心臓は血液を送り出すことができるのです。
「心臓しんとう」は胸を強打したタイミングが
T波に重なったときに「R on T」となり
「VF」が誘発されてしまします。
参考記事:「R on T」で何かが起きる
参考記事:「心臓しんとう」のメカニズム
つまり、「心臓しんとう」とは誰にでも起こり得る不慮の事故であり
毎年この事故で亡くなる方がいらっしゃいます。
参考記事:現場でしか救えない命
胸を強打する可能性は
大人より子供たちに多いです。
よって、子供たちに多い事故です。
心臓しんとうを見かけたとき、
近くにいた人にAEDの知識があれば
その命は救われます。
人が集まる場所では
AEDが設定してありますので
必ず事前に確認する癖をつけてください。
それが大人の役割です。
心臓しんとうを見かけたとき
その命を救うのはあなたです。
他人事ではありません。
僕も2回救ったことがあるくらいです。
次回その経験談を書き綴ります。
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