心臓が備える安全機能
心電図新世界セミナー谷口総志です。
刺激伝導系の目的は心室を動かすことです。
心室が動かなければ生命は維持できません。
そのために司令塔である「洞結節」より刺激を出し、
刺激伝導系が心室へとその刺激を伝えます。
刺激が終着点の「プルキンエ線維」まで伝わると
心室は動きだします。
刺激伝導系は刺激を伝える線路の役割です。
しかしⅢ度の房室ブロックは、
この刺激伝導系が完全に切れた状態です。
つまり、プルキンエ線維まで刺激が伝わらないのです。
参考記事:伝わらない刺激
プルキンエ線維に刺激が伝わらなければ心室は動きません。
何回も言います。
刺激伝導系の目的は心室を動かすことです。
生命を維持するために、
その目的だけは達成されなければなりません。
洞結節からの刺激が来ない場合、
心臓はどうするか?
別な場所から刺激を出します。
それは心臓の安全機能です。
司令塔の洞結節からの刺激が伝わらないのなら、
別な箇所が司令塔になればいいのです。
その司令塔の役割を果たす箇所が2ヶ所あります。
それは、
房室結節とプルキンエ線維です。
房室結節は心室を効率よく動かすために
神の采配を行う場所です。
ここが司令塔になるのです。
つまり刺激を出すことができます。
プルキンエ線維は刺激伝導系の終着点です。
その終着点みずから刺激を出します。
つまり心室は簡単に止まらないように出来ているのです。
これが心臓の安全機能です。
すごいですね~
あなたの心臓もあなたの命を守るため
安全機能を備えているのです。
刺激を出すことができるのは
洞結節と房室結節、プルキンエ線維
洞結節からの刺激が伝わらなければ房室結節から刺激を出します。
房室結節からの刺激も伝わらなければ
最終手段でプルキンエ線維から刺激を出すのです。
心室は刺激を待ってるだけではありません。
心室みずから刺激を出すことが出来るのです。
だったら最初から心室が刺激を出せばいいんじゃない?
となりますね~
でもこれには弱点があるのです。
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