VT(心室頻拍)で間違いないのですが・・・
こんにちは谷口総志です。
本日は【VTで間違いないのですが・・・】についておしらせします。
前回解説です。
<不整脈問題017>この不整脈名は?
※BP1とは血圧のことです。
はい。
PVCの連続ですね。
ということは・・・・・・・・・??
はい。VTで間違いありません。
VTは危険ということを説明しました。
参考記事:心室性頻拍(VT)
なのですが‥…
BP1(血圧)を見てください。
脈波があり血圧も100mmHg前後ありそうです。
これはどういうことか??
血圧があるということは
心臓から血液が送りだされているということです。
「PVCが連続しているのに血液が送りだされている」
VTなのですが
緊急性を要さないVTといえます。
これには理由があります。
VTは心室性頻拍です。
頻拍になるとなぜ危険かを説明しました。
参考記事:頻脈に治療が必要な理由
頻拍(頻脈)は拡張時間が短くなるから
危険なのです。
この波形を覚えていますか?
心電図の一周期
その大部分が拡張期なのです。
心臓には十分な拡張期が必要なのです。
よって
頻拍になると血液を送りだせなくなり危険なのです。
さて<不整脈問題017>に戻ります。
これはVTですが脈が比較的緩やかです。
100回/分といったところでしょうか。
通常VTは心拍数が160回/分以上になります。
頻脈は150回/分から危険性が増します。
拡張時間が足らないからです。
と考えると <不整脈問題017> は
100回/分程度の遅いVTと言えます。
つまり
拡張時間が保たれているのです。
拡張時間が保たれれば
心室に血液が充満する時間が出来るので
PVCの収縮でも血液を送りだすことが出来ます。
それがBP1(血圧)が保たれている理由です。
よってこのVTでは
意識を失うようなことは無く
緊急性を要しません。
このように
比較的緩やかで血圧が保たれているようなVTを
「slow VT」と呼んでいます。
「slow VT」が 全く危険でないかと言ったら
そうでもありません。
緊急性を要さないからと言って
ほっといて良い心電図ではありません。
このような波形になること自体異常です。
VTを見つけたらすぐに
意識を確認しましょう。
意識があれば緊急性を要さないし、
意識がなければ緊急性を要す基準になりますよ!
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