心電図「ST」が変化する理由
心電図新世界セミナー谷口総志です。
前回問いかけました。
一番酸素を必要としてるのはどの部分ですか?
という問いかけです。
前回の投稿を読んでいない方はこちら
今までのブログを読んでいただいてる方には、
さほど難しくない問です。
左心室の拡張期が酸素供給で、
収縮期が酸素消費でした。
酸素供給と消費の関係はこちら
↓↓↓↓
「たったの2パターン」
この時点で左心室の収縮期に関係しているのは
QRS波と
ST部ですね。
つまりこの二択です。
QRS……左心室が収縮を始めた
ST……左心室が収縮しきっている
前回、QRSとSTを100メートル走で例えました。
QRS……QRS波は、スタートの合図(ピストル)が鳴った時(収縮しはじめ)
ST部……スピードが最高潮に達した80メートル地点(収縮しきっている)
どちらが酸素を必要としていますか?
当然
ST部ですよね~
よって答えは
スタート時点より終盤に酸素が必要になります。
当然といえば当然です。
だから
酸素が足らない状態(虚血)になると
「ST」が「変化」するのです。
これが虚血性心疾患です。
よく「ST変化」「ST上昇」「ST低下」という言葉を聞くと思います。
酸素を最も必要としているのはST部です。
酸素が足らなくなると「ST」が「変化」するのは当然ですね。
こんな当たり前のことを誰も教えてくれませんよね~
虚血性心疾患で
酸素を一番必要とする「ST」が
「変化」するのは当然の結果なのです。
次回はST変化の見方です。
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