心電図のR波の成り立ち
心電図新世界セミナー谷口総志です。
質問メッセージをいただきましたので
本人の了解のもと一部転写させていただきます。
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ブログ拝見しております。
明瞭な説明に感心しております。
すごく勉強になっています。
私は病院で看護師をしています。
現在勤務歴○○年ですが、はじめて心電図が面白いと感じています。
もっと早くこのブログに巡り合いたかったです。
中略
QSパターンを読んでいるときふと疑問がよぎりました。
同じ心臓なのにR波の高さの違いが出るのが不思議です。
R波がエネルギーなら同じ高さになるのではないでしょうか。
転写ここまでーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そうですね。
説明不足でしたので捕捉しますね。
この記事の疑問ですね
参考記事:QRSのR波の意味
12誘導心電図は左心室壁を見ています。
R波はエネルギー(動く力)です。
よってR波が高ければエネルギーも大きいということです。
質問にもありましたが、同じ心臓でなぜR波の違いが出るのか?
①電極を貼る位置が違います。
そして、
②エネルギーは心尖部めがけて進みます。
よって、心尖部に近い電極が一番エネルギーが大きいのです。
さて、V1-6で一番心尖部に近いところを探しましょう。
どこが心尖部に近いですか?
エネルギーは心尖部に近づくほど強くなります。
R波の高さを見ていきましょう。
徐々に高くなっていきますね。
そしてピークを迎えると
徐々に低くなっていきます。
必ず山型(R波が下向きなら谷型)になります。
さらに、
R波が頂点になる場所はV3,4に集中します。
心尖部に近い場所ですね。
このR波が頂点になる場所を移行帯と呼んでいます。
移行帯という言葉は臨床では問題になりませんので
覚えなくてもいいですよ。
ただ、そういう波形の成り立ちになっていることだけ
知っておいてください。
次の心電図は電極を貼り間違えています。
どこの電極が貼り間違えてますか?
もうわかりますね。
電極貼り間違えはよく目にします。
が、すべてスルーですね。
電極を貼り間違えるより、
それに気づかない方がヤバイです(笑)
V1-6の成り立ちだけ気にしてください。
心尖部に近いところがエネルギー(R波)が高くなるのです。
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