QRSのR波の意味
心電図新世界セミナー谷口総志です。
12誘導心電図は3つのパターンで読むことができます。
①ST変化
②12波形と心臓壁の関係
③QSパターン
12誘導心電図は虚血の診断に使われます。
①で「なにが」起きているかを判別し
②で「どこで」起きているかを判別します。
つまり今現在起こっていることなのです。
そして
③で「いつ」を判別します。
前回の記事にもありますが
心筋梗塞は左心室壁が壊死し左心室の動きが永久的に悪くなります。
狭心症は左心室壁の動きが一時的に悪くなります。
よって、狭心症は治ってしまえば元に戻りますが、心筋梗塞は左心室壁が壊死するため痕跡が残るのです。
その痕跡が「QSパターン」なのです。
これを僕の目線で説明します。
どの教科書にもない、セミナーでも語られない見解で述べます。
ちなみに僕自身心電図のセミナーを受けたことがないので、
このブログに書いてあることは、独特な目線だと思っています。
自慢することじゃないですね(笑)
言えるのは固定観念や常識的な思考は入っていません。
さぁ、QSパターンです。
心電波形の説明で何回も出てくるQRS波
心室が興奮し始める時でしたね。
参考記事:ST部を左心室の動きで言うと
それでは
QRSの中のR波を説明できますか?
「QRS波はなんとなく解るけど……」
となりますよね~
R波が解れば「QSパターン」が読めるのです。
「QSパターン」で「いつ」起きたかが解ります。
厳密に言うと
心筋梗塞が「過去に起きた」ということが解るのです。
心筋梗塞は左心室の動きが永久的に悪くなる虚血性心疾患です。
つまり
心筋梗塞は一度起こせば永久的に痕跡が残るのです。
さぁ、R波に戻ります。
R波とは何か?
R波は左心室壁のエネルギーを表します。
エネルギー=動く力です。
よってエネルギーが大きいほど
R波は大きくなるということです。
問題です。
血圧が高い方はどちらでしょう?
こんな診断の仕方は行われないのですが心臓で血圧の予想も立てられるのです。
心臓を動かしているのは心筋という筋肉です。
筋肉は鍛えれば強く太くなりますよね。
つまり高血圧の方は常に心臓に負荷がかかって鍛えられている状態なのです。
よって血液を送りだす力が強くなる
R波は心室の動く力(エネルギー)を表していますので
答えは 「A」
ということになります。
明らかにR波が大きいですよね~
高血圧は心臓が鍛えられて良いという話ではありません。
心臓に負荷がかかるということは酸素消費量も大きくなるので
虚血の原因にもなりかねません。
ただエネルギーが大きいこということは間違いないのです。
R波の意味が解れば心電図で血圧の予想も立てられるのです。
R波は左心室壁の動く力(エネルギー)です。
ということは「QSパターン」とは?
なんとなくわかった方もいらっしゃるのでは(笑)
次回、QSパターンの神髄に迫ります。
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