頻脈に治療が必要な理由
こんにちは谷口総志です。
本日は【頻脈に治療が必要な理由】についておしらせします。
<不整脈問題016>です。
見ていない方は前回を参照してください。
これはPVCが連続している心電図です。
この条件を満たせば
↓↓↓↓
判断としてはVTとなります。
危険性も高ことを記事にしました。
参考記事:心室性頻拍(VT)
なぜVTは危険性が高いのか?
いわゆる頻脈です。
心臓が動けば血液を送る量は多くなりそうです。
ここで「血圧」が大きく絡んできます。
「血圧」は心臓から血液が送りだされて
血管の中流れたときの圧です。
それは血液が循環したときに
血圧という『エネルギー』となります。
頻脈とは脈拍が多くなる不整脈のことです。
結論から言うと治療が必要となります。
頻脈の場合の循環動態を
心電波形で考察しましょう。
血圧という『エネルギー』を
作りだせるのは左心室のみです。
心室は収縮期で血液を駆出し
拡張期で心室内に血液を充填します。
心室で心周期を考えてみましょう。
心電波形をこんな目で見たことがありますか?
そのほとんどが拡張期なのです。
拡張期は血液を心室内に充填している時間でした。
血液を駆出する時間(収縮期)は一瞬ですが、
血液を充填する時間(拡張期)は時間を要するのです。
何が言いたいかというと
「拡張する時間が必要」
ということです。
血液を心室内に充填する時間があって
血液が駆出できるのです。
頻脈になると、この充填時間(拡張時間)が短くなります。
よって心室内に血液が充填される前に、
収縮期になってしまう
心室内に血液が充填される前に収縮しても
血液は駆出されないのです。
頻脈は
『エネルギー』の源である
血液を送れなくなってしまうのです。
心拍数が少ないときは
多くしてあげれば
血液は送れますが、
心拍数がある一定を超えて
多くなってしまった場合は
反対に血液は送れなくなるのです。
「ある一定」とは拡張時間に
影響を及ぼしたらという
あいまいな表現になってしまいますが‥…
大まかに
心拍数が150回/分を超えたら
危険度が増します。
よってVTと判断できなくても
心拍数が150 回/分 以上になると
要注意ということになります。
VTになると180回/分前後の心拍数になります。
このとき拡張する時間が無くなるので
心臓は血液を送りだせなくなります。
『エネルギー』が不足する状態です。
血圧で言うと40㎜Hgを下回ってしまいます。
つまり「心停止」の定義を満たしてしまうのです。
頻脈に治療が必要な理由は
解っていただけたでしょうか?
頻脈を認めたとき
あなたはまず、どんな行動をとりますか?
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